国宝の臼杵磨崖仏は人生の流れを語る聖域なのです!【大分の旅】

大分県は『まがいぶつ県』といっても過言ではない。

その数は日本一クラスです。近畿、中部地方から広まった磨崖仏文化は徐々広がり全国に知られるようになりました。今回の訪問先である臼杵磨崖仏は多くある磨崖仏の中で唯一国宝に指定されています。

私は様々な磨崖仏を見てきましたが、ここのそれは特別!

いちのまる
いちのまる

仏像の表情は皆々柔和であるが、見る者を圧倒する力がある。彫った人間の心が何百年経った今も尚滲み出しているよう。

さて、大分県は『おんせん県』と謳っているだけあって別府、湯布院と温泉にばかり目が行きますが他にも良い所がたくさんあります。

臼杵磨崖仏もそのひとつ!

大分にいらしたら是非一度は足を運んでいただきたいスポットです。

(近くの白鹿権現もおすすめ!ちょっと怖くて辿り着くまでが大変ですが。)

 

臼杵磨崖仏までのアクセス

臼杵石仏

遠方からいらっしゃる方はまず大分空港を目指しましょう。

県南高速リムジンバス(臼杵−大分空港)が空港から出ているので乗り換えなしで臼杵までいけます。料金は往復5000円あれば大丈夫みたいです。

その後、5分くらいタクシーに乗れば着きます。

電車なら臼杵駅を目指します。

そこからバスまたはタクシーで20分くらいかかるので、何処から来るのかにもよりますがちょっと時間とお金がかかりすぎる気がします。

やっぱり自動車が一番いいかと思います。鳥栖JCTから大分方面へ2時間ほど走らせ臼杵ICで降ります。そこから臼杵磨崖仏までは5分程度。

大分県は交通網がかなり微妙なので九州外から訪れるなら空港近くでレンタカーを借りた方が楽しめます。

帰りに別府温泉がありますので1泊したらあなたは幸せになれます。

 

磨崖仏とは?

磨崖仏は岩壁、及び窟内に彫られた仏像の一種です。

平面に線を彫って描く線刻、厚みを付け立体感を出した薄・半・厚肉彫、像の全体を彫りだす丸彫など彫刻の種類があります。

磨崖仏の歴史は古く、インドで紀元前に彫られたものが最初期のものだと思われます。日本では平安時代前半に彫られたものが最初期だといわれていますが、歴史が古いだけに正確な始まりはよくわかっていません。

それでは臼杵磨崖仏の紹介を致します。

どのように観覧しても良いと私は思いますが仏法に則した参拝順序がありますので、せっかくなのでそれに則って見ていきましょう。

 

古園石仏

臼杵石仏

真ん中。

 

臼杵石仏

右側。

 

臼杵石仏

左側。

臼杵磨崖仏メインの古園石仏。

大日如来を中心に左右6体ずつ並んだ十三仏。

何故ここが一番最初なのか?それはここに中心五仏があるから。

しかしながら手持ちの資料(臼杵磨崖仏についての)に書いてある五仏『大日如来』『薬師如来』『釈迦如来』『弥勒菩薩』『阿弥陀如来』がどのような経緯で中心五仏になったのかがわかりません。

ネットなどで調べてみてもこの五仏が中心仏になっているものが見当たらない。

私の知識では到底及ばない問題なので細かいことは捨てておきましょう!

要するに古園石仏は『仏教とは?』という基礎の部分を語っているから最初に見るべきということなのでしょう。

もし仏教に詳しい方がいらしたら中心五仏、また古園石仏の意味についてご教授願いたい。

 

山王山石仏

臼杵石仏

真ん中に釈迦如来、右が薬師如来、左に阿弥陀如来。

表情を見ると三像はとても穏やかで幼い顔をしています。

山王山石仏は我々の子供の頃の様子を表しているそうです。

 

堂ヶ迫群『ホキ石仏第一群 第一龕』

臼杵石仏

この石仏は青年期を表しています。

右から観世音菩薩、阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来、勢至菩薩です。

 

堂ヶ迫群『ホキ石仏第一群 第二龕』

臼杵石仏

第一龕の右隣りにある三仏は中尊に阿弥陀如来(未来)、右に釈迦如来(現在)、そして左に薬師如来(過去)。

今までとは違ったクールな顔つきをしています。髭も生えいぶし銀な仏像。世の中で揉まれ現実をひしひしと感じる今日この頃な壮年期を表現しています。

薬師如来の左側にある小さな石仏は愛染明王像で第一龕(青年期)と第二龕(壮年期)の間にあり、これは人生の一大イベント結婚を表しています。

縁結びの愛染明王が意中の相手を弓矢で射止めてくれます。

 

堂ヶ迫群『ホキ石仏第一群 第三龕』

臼杵石仏

中尊に大日如来、その右に釈迦如来、左に阿弥陀如来。両脇侍の右側が観世音菩薩、左側が勢至菩薩。

ここでは仏法に従ってただひたすら進めということを言いたいらしい。

確かに石仏の表情は達観していて我々に何かを諭そうとしているような気がしないでもない。

 

ホキ石仏第一群 第三龕

臼杵石仏

中尊に地蔵菩薩、その左右に5体の像。

閻魔大王=地蔵菩薩というのは有名ですね。

ここは『私たちが死後貴方を裁きます』と示唆しています。この裁きについては当ブログ『檜原村の十三仏巡り』の記事に載せていますのでお時間がある方はどーぞ!

 

ホキ石仏第二群 第一龕

臼杵石仏

中尊に阿弥陀如来、右に観世音菩薩、左に勢至菩薩。

臼杵磨崖仏もいよいよ終盤。これらの石仏は人生の老年期を表します。

『南無阿弥陀仏!過去、現在を経て後は阿弥陀様に頼るのみです。よろしくお願い致します。』といった心境でしょうか。

 

九品の弥陀『ホキ石仏第二群 第二龕』

臼杵石仏

とうとうお迎えです。

九品の弥陀は現世から極楽浄土へ迎えに来てくれる仏様。とても善い行いをした者には豪華なお迎えが来て、とても悪い行いをしたものには『勝手に来れば?』と冷たい仕打ちが待っています。しかし弥陀の誓願不思議、阿弥陀様は我々をもれなく救って下さると約束したのでみんな救われるのです。

まぁ、実際死んでみないとわからないですね、こればっかりは。

 

終わりに

臼杵石仏

これにて終了です。

入口から普通に参拝すると

お迎え(九品の弥陀)→仏教のすすめ、地獄示唆、老年期(ホキ第二群)→青年期、結婚、壮年期(堂ヶ迫群)→仏教基礎(古薗)→幼年期(山王山)

の順番になります。

私はそんなことも知らずに『お迎え(九品の弥陀)』から周ってしまいましたが、正規の周り方あるのかな?

人生の最後から見せて『今をよりよく生きなさい!』と暗に語っている可能性も?

まぁ、どっちから回っても問題ないです。

ですが少々知識を持って訪問するとより有意義な参拝ができることでしょう。

おしまい!

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