日本ワイン産地といえば山梨?長野?もしくは北海道辺りを思い浮かべる方が多いでしょう。確かにそれらの産地は歴史や伝統があり多くの良質なワインが造られています。ざっくりと日本のワインを知りたいならば上記の産地ワインを試飲すれば一先ずokかもしれません。
しかし待っていただきたい!皆さんは現在47都道府県の殆どでワインが造られていることをご存知でしょうか?しかも場合によっては有名産地のワインを越えるようなものが造られているということを。
今回は群馬県の山奥にある奥利根ワイナリーをご紹介します。ここは大々的に宣伝を行っていないのでそれ程有名になっていませんが、知る人ぞ知る隠れた名酒を造るワイナリーなのです。
それでは参りましょう!
奥利根ワイナリーへのアクセス方法
奥利根ワイナリーは群馬県利根郡昭和村の山中に位置します。
関越自動車道の昭和インターチェンジから10分かからない所にあるのですが、なかなかわかり辛い場所にありますのでカーナビで群馬県利根郡昭和村大字糸井字大日向6843を検索して向かうことをおすすめします。
ワイナリーなのでワインテイスティング可能なのですが、交通手段が自動車しかないためお酒を飲めない免許所有者の同伴が必須です。もしいらっしゃらないようでしたらおみやげで我慢!購入して家に帰ってゆっくり飲みましょう。
ワイナリーに行く直前、到着してからの禁煙はやめましょう。テイスティングにもよろしくないし嫌がる人がたくさんいるからね。
ぶどう栽培にこだわるワイナリー
日本で栽培されるぶどうの殆どは生食用となっています。
そして栽培は棚仕立てというぶどう狩りで見るような上からぶどうを吊す方法を採用しています。しかしワイン本場のフランスやイタリアなどでは垣根仕立てというぶどうの実が膝から腰辺りに付くように調節した栽培方法を基本としています。
この垣根仕立てはぶどうの実と根が近いためより実に栄養が行きやすく優れたワインが出来るという利点があります。
日本は高温多湿で雨が非常に多いため病気になりやすく手間のかかる垣根仕立てではなく風通しや日当たりの良い棚仕立てが主流なわけですが、努力を惜しまない日本ワイン生産者は優秀な日本ワインを造るため垣根仕立ての方法を研究し現在確立されつつあります。
そして奥利根ワイナリーも自社畑で垣根仕立てを採用し上質なワインを造りだしています。
アメリカのようなワインを…。
ワイン造りを目指す方ならフランスのような繊細で上品なワインをとかイタリアのように独特な多様性を感じてもらいたいまたは日本なら日本特有の個性を造り出したいと色々考えることでしょう。
そして奥利根ワイナリーの目指しているアメリカ。私は『ガツンとインパクトが強く余韻が長い』というイメージをアメリカワインに持っています。
確かに奥利根ワイナリーのワインはしっかりとした骨格があり深いコクを感じ、そして余韻が長い。こんなことを考えながらワイナリーでテイスティングするのもワインの楽しみの一つ!
この情報はかなり昔に当時の社長に聞いたことなので今はどうだか知りません。
フラグシップワインはどんな感じ?
奥利根ワイナリーはI’mシリーズというワインを看板商品にしています。葡萄品種は白ワインのシャルドネ、赤ワインのメルロとピノ・ノワール。そして価格は一本3000円程度です。それぞれの簡単なテイスティングコメントを参考にどうぞ。
シャルドネは樽由来のバニラの香り、暖かい産地のフルーツから香る甘いニュアンス。
メルロはこれも樽由来のチョコレートみたいなビターな感じとプルーンのような熟した黒いベリー系を思わせる香り。
ピノ・ノワールはほんの少し青臭さが残るもしっかりとラズベリーやチェリーのような感じがでているのでこれからさらに良くなると予想。
ヴィンテージ(年代)によって香り、味が変わるのと個人差がかなり影響してきますので実際に購入して飲むことをおすすめします。
終わりに
奥利根ワイナリーはレストランも併設されていますのでワイングラスを片手に昭和村の長閑な風景をゆっくり眺めながら食事したら最高の一日を過ごせること間違いなし。
宿泊は沼田の市街地が比較的近いのでおすすめ。歴史ある街なので沼田観光もついでにできたらよりいいですね。
私は初めてここのワインを飲んだとき良い意味で衝撃を受けました。日本ワインを扱うお店で働いていた際、奥利根ワインばかり売っていた覚えがあります。お客さんの評判もかなりよかったです!
おしまい!